8月, 2014年
労働災害が大幅に増加
平成26年の労働災害の発生件数(1月~6月末日までの速報値)は、昨年の同じ時期に比べ3.6%増えました。特に、労働災害で亡くなった方の数は、19.4%も多い
437人と、大幅に増えています。
こうしたなか、厚生労働省では、労働災害増加に対する危機感の共有と、対策の徹底のため、8月5日に、250を超える業界団体に対して、次のような緊急要請を行
いました。
(1)経営トップの参加の下に職場の安全パトロールを実施するなど、職場内における安全衛生活動の総点検を実施すること
(2)安全管理者等の選任義務がない事業場においても安全の担当者(安全推進者)を配置するなど、事業場の安全管理体制を充実すること
(3)雇入れ時教育を徹底するなど、効果的な安全衛生教育を実施すること
労働災害は、小売業や社会福祉施設などの第三次産業でも増加しています。安心して働くことができる職場づくりは、労働災害を減らすことはもちろん、人材を確保・養成し、企業活動を活性化する上でも、大きなメリットになります。労使の皆さんをはじめ、関係者が一体となって、労働災害防止に取り組みましょう。
【詳細はこちら】
http://krs.bz/roumu/c?c=10161&
外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ
日・インドネシア経済連携協定(平成20年7月1日発効)に基づき平成20年度から、日・フィリピン経済連携協定(平成20年12月11日発効)に基づき平成21年度から、年度ごとに、外国人看護師・介護福祉士候補者(以下「外国人候補者」という。)の受入れを実施してきており、これまでに両国併せて累計1562人が入国してきました。(平成24年度の入国完了(平成24年5月29日)時点)
また、ベトナムからの候補者の受入れに向けて、政府部内やベトナム側との間で調整を行っています。
これら3国からの受入れは、看護・介護分野の労働力不足への対応として行うものではなく、相手国からの強い要望に基づき交渉した結果、経済活動の連携の強化の観点から実施するものです。
一人でも多く送り出し、日本の国家資格を取得して欲しいとのインドネシアやフィリピンの期待が高い中、経済連携協定全体の円滑な実施のため、日本政府はこれまで、協定上の6ヶ月間の日本語研修の実施のみならず、受入れの運営について改善を行ってきており、厚生労働省では、受入れ施設における候補者の学習への支援の強化、国家試験の用語等の見直し、再チャレンジ支援、介護職員の配置基準の見直しなどを実施してきています。
インドネシアやフィリピンからの受入れの概要は次の通りです。
1 経済連携協定に基づく受入れは、外国人の就労が認められていない分野において、二国間の協定に基づき公的な枠組みで特例的に行うものです。公正かつ中立にあっせんを行うとともに適正な受入れを実施する観点から、我が国においては国際厚生事業団(JICWELS)が唯一のあっせん機関として位置づけられ、これ以外の職業紹介事業者や労働者派遣事業者に外国人候補者のあっせんを依頼することはできません。
2 国内労働市場への影響を考慮して、年度ごとの受入れに際して、外国人候補者の年間の受入れ最大人数を設定してきています。
3 経済連携協定に基づき国家資格を取得することを目的とした就労を行う外国人候補者は、受入れ施設で就労しながら国家試験の合格を目指した研修に従事します。外国人候補者と受入れ機関との契約は雇用契約であり、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を支払う必要があるほか、日本の労働関係法令や社会・労働保険が適用されます。
4 経済連携協定に基づく外国人候補者は、看護師・介護福祉士の国家資格を取得することを目的として、協定で認められる滞在の間(看護3年間、介護4年間)に就労・研修することになっています。
5 資格取得後は、看護師・介護福祉士として滞在・就労が可能です(在留期間の更新回数に制限無し)。
ヤマト運輸「満足ポイント制度」~褒め合い育て合う文化醸成
ヤマト運輸(株)(東京都中央区、山内雅喜社長、社員数15万6877人)では、社員が顧客や仲間の“満足創造”に積極的に取り組むためのツールとして「満足ポイント制度」を運用中だ。「仲間からの評価」「自己評価」「会社からの評価」「顧客からの評価」で得たポイントはイントラ上の「満足BANK」に貯められ、累積ポイント数に応じて銅からダイヤモンドまでの「満足クリエイター」認定バッジを贈呈。制度の浸透で「褒め合う文化」が醸成され、社員の意欲が向上したほか、顧客からの御礼メール等の増加や荷物事故の減少など多方面に好影響を及ぼしている。
ヤマト運輸によると、お客様・社員・社会に対して多くの満足を創造するために、ヤマト運輸(株)が2008年11月にスタートした「満足ポイント制度」。自分が創造した満足に対する①仲間からの評価、②自分で立てた目標に対する自己評価、③会社(本社・支社・主管支店)からの評価をポイント化し、「満足BANK」に貯めていくことで、各自が創造した満足の量や中身を確認できるシステムです。
満足ポイントが貯まると満足クリエイターとして認定され、ポイント数に応じて、ダイヤモンド・金・銀・銅のバッジを贈呈します。
2012年度には、47,484名(前年度63,501名)の満足クリエイターが誕生しました。満足ポイント制度浸透による褒める文化の醸成は、社員の仕事への意欲を高め、ヤマトファン賞の受賞者増加や荷物事故の減少など、品質面にも良い影響を及ぼしています。
またこの活動はグループ会社にも広がり、ヤマトシステム開発(株)の「ハッピーポイント制度」、ヤマトホームコンビニエンス(株)の「ありがとうポイント制度」などがありますが、2012年度にはヤマトグローバルエキスプレス(株)およびヤマトロジスティクス(株)などBIZロジ6社で「満足ポイント制度」がスタートしました。またヤマトフィナンシャル(株)では「知恵ッター」という掲示板システムにより、情報共有と褒める文化醸成への取り組みを進めているとのことです。
お問い合わせは佐伯社会保険労務士事務所まで
個人型キャリア形成を支援-厚労省
厚生労働省は、職業能力開発制度の今後のあり方に関する中間取りとりまとめ(案)を明らかにした。近年のサービス経済化、技術革新、求められる職業能力の変化などに対応し、外部労働市場でも活用可能な職業能力評価制度の整備、個人指導型のキャリア形成支援、産業界のニーズを踏まえた職業訓練の推進の3つを今後の職業能力開発の重点とする考えである。これまで、企業や個人が、職業能力開発にかける費用を削減してきたことを憂慮している。
1.「キャリア」とは?
「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」、さらには「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないしは継続性を持った概念とされています。「キャリア」を積んだ結果として、「職業能力」が蓄積されていくものです。
2.「キャリア・コンサルティング」とは?
「キャリア・コンサルティング」とは、「個人が、その適性や職業経験等に応じて自ら職業生活設計を行い、これに即した職業選択や職業訓練等の職業能力開発を効果的に行うことができるよう個別の希望に応じて実施される相談その他の支援」のことを言います。
「キャリア・コンサルティング」は、必ずしも個人に対する相談支援に限らず、企業の職業能力開発制度や学校のキャリア教育プログラムの設計・運用・評価等そのほかの支援を含むものです。
3.「キャリア・コンサルティング」の流れ
「キャリア・コンサルティング」の中心となる個別相談は、おおむね以下のような流れで実施されています。
4.「キャリア・コンサルタント」とは
上記2のキャリア・コンサルティングを担う人材をいいます。
厚生労働省では、標準レベルのキャリア・コンサルタントに求められる能力体系を定めており、これに対応した養成講座を受講した方等が、キャリア・コンサルタントとして活躍しています。
5.「キャリア・コンサルタント」になるには
キャリア・コンサルタントは、需給調整機関(ハローワーク、訓練機関等)、企業、教育機関、若者自立支援機関などの幅広い分野で活躍しています。キャリア・コンサルタントには、以下の国家検定や民間資格等があります。
(1)キャリア・コンサルティング技能士(キャリア・コンサルティング技能検定1級・2級試験合格者)
(2)標準レベルのキャリア・コンサルタント(キャリア・コンサルタント能力評価試験合格者等)
(3)登録キャリア・コンサルタント(ジョブ・カード講習修了者等)
(業務独占資格ではないので、キャリア・コンサルタントの資格がなくともキャリア・コンサルティング業務を行うことを妨げるものではありません。ただし、ジョブ・カード交付に当たっては、ジョブ・カードに係る専門的な知識・スキル等を有しているキャリア・コンサルタントがキャリア・コンサルティングを行った上で交付することが必要であることから、ジョブ・カード講習を受けること等により、登録キャリア・コンサルタントとなっていただくことが必要です。)
※ キャリア・コンサルタント数は平成26年3月末で約8万7千人です。
働きやすい・働きがいのある職場づくり
仕事に対する従業員の意欲が低い、従業員がなかなか職場に定着しないなど、従業員の雇用管理でお悩みの事業主の方も多いかと思います。
このような場合には、従業員の「働きがい」や「働きやすさ」の意識を高めると、働く意欲が向上し、職場での定着率が上がり、さらには会社の業績向上に効果があることが調査で明らかになっています。
従業員の「働きがい」や「働きやすさ」の意識を高めるには、評価や処遇、人材の育成、人間関係についての管理など、適正な雇用管理の実施が効果的です。
あなたの会社も適正な雇用管理を行って、「働きやすい・働きがいのある職場づくり」を目指しませんか?
◆「働きやすい・働きがいのある職場」のメリット
・従業員の意欲が高まります
・従業員が定着します
・会社の業績につながります
◆厚生労働省「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関するアンケート調査
(従業員調査)」(平成25年)結果のポイント
「働きがい」の意識を高める効果がある雇用管理の例
(1) 仕事の意義や重要性を説明する
(2) 従業員の意見を経営計画に反映する
(3) 本人の希望をできるだけ尊重して配置する
(4) 希望に応じてスキルや知識が身に付く研修を実施する
(5) 提案制度などで従業員の意見を聞く
「働きやすさ」の意識を高める効果がある雇用管理の例
(1) 希望に応じてスキルや知識が身に付く研修を実施する
(2) 本人の希望をできるだけ尊重して配置する
(3) 提案制度などで従業員の意見を聞く
(4) 従業員の意見を経営計画に反映する
(5) 経営情報を従業員に開示する
【詳しくはこちら】
働きやすい・働きがいのある職場づくりサイト
http://krs.bz/roumu/c?c=10037&
高年齢雇用継続給付などの支給限度額が変更
厚生労働省では、8月1日に、高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付の支給限度額を改定しました。これは、「毎月勤労統計調査」の平均定期給与額の動向をもとに、毎年8月1日に改定しているものです。支給限度額は以下のとおりです。
<高年齢雇用継続給付>(平成26年8月以降の支給対象期間から変更)
支給限度額 341,542円 → 340,761円
最低限度額 1,848円 → 1,840円
<60歳到達時等の賃金月額>
上限額 448,200円 → 447,300円
下限額 69,300円 → 69,000円
<育児休業給付>(初日が平成26年8月1日以降の支給対象期間から変更)
上限額(支給率67%) 286,023円 → 285,420円
上限額(支給率50%) 213,450円 → 213,000円
<介護休業給付>(初日が平成26年8月1日以降の支給対象期間から変更)
上限額 170,760円 → 170,400円
【リーフレット】
http://krs.bz/roumu/c?c=10132&m=27941&v=c24ab59e
8月1日から雇用保険の基本手当(失業給付)の日額も変更になりました。
【リーフレット】
http://krs.bz/roumu/c?c=10133&m=27941&v=67c12590
【高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付の詳しい制度内容】
http://krs.bz/roumu/c?c=10134&m=27941&v=a991d938
お問い合わせは佐伯社会保険労務士事務所まで
キャリアアップ助成金職務評価加算(処遇改善コース)