【コラム】働き方改革~男性の育児休暇

2019-12-26

国家公務員の男性に育児休暇・休業の取得を促すため、政府が検討している新たな取り組みがわかった。子供が生まれた男性職員の上司に育休取得に責任を持たせる。1カ月以上の取得を推奨し、職員の意向に基づいた取得計画を作成する。実効性を高めるため管理職の取り組みは上司の人事評価に反映する。

三菱UFJ銀行では、10営業日の短期の育児休業と、通常の有給休暇などを合わせて約1カ月の長期育休を男性行員に促す。部下が育休を取れているかどうかを上司の人事評価の対象とし、制度利用を促す。また、積水ハウスは18年9月から男性社員に1カ月以上の育休取得を義務付けた。日本生命保険は13年から6年連続で男性社員の「育休取得率100%」を達成している。

厚労省雇用均等基本調査(平成27年)によると、男性の育休取得日数は「5日未満」が56.9%と突出し、次いで「5日~1カ月未満」は26.2%で、「1カ月以上」は16.7%だという。平成30年時点での男性の育休取得率は6.16%にとどまっているようだ。ノルウエーでは、2012年以降には男女ともに90%を超えており、スウェーデンも男女とも80%前後までになっている。ドイツの場合、2016年には男性が、34.2%まで伸びた。「両親手当」により、育児休暇中でも給料の67%の給付金を受け取ることができるようになったと聞く。

日本でもよく知られていないが、「パパ・ママ育休プラス」という制度があり、条件を満たした場合、育休期間を最大2ヶ月引き延ばすことができ、パパも給付を受けることができる。ただ、利用者の割合は低く、女性の復職者のうち、パパ・ママ育休プラスの利用者割合は 1.9%、男性は 3.0%であった。

昨日のコラムで書いた日本の出生数は、統計開始以来の最低数となった。男性の育休取得は、国の運命をも決める少子化問題の解決策の大きな一つになり得るのではないだろうか。多くの企業で、こうした先進的な取り組みを進めていくことが、女性が活躍できる職場環境の整備と働き方改革につながることになるのではないか。

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