個人型キャリア形成を支援-厚労省
厚生労働省は、職業能力開発制度の今後のあり方に関する中間取りとりまとめ(案)を明らかにした。近年のサービス経済化、技術革新、求められる職業能力の変化などに対応し、外部労働市場でも活用可能な職業能力評価制度の整備、個人指導型のキャリア形成支援、産業界のニーズを踏まえた職業訓練の推進の3つを今後の職業能力開発の重点とする考えである。これまで、企業や個人が、職業能力開発にかける費用を削減してきたことを憂慮している。
1.「キャリア」とは?
「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」、さらには「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないしは継続性を持った概念とされています。「キャリア」を積んだ結果として、「職業能力」が蓄積されていくものです。
2.「キャリア・コンサルティング」とは?
「キャリア・コンサルティング」とは、「個人が、その適性や職業経験等に応じて自ら職業生活設計を行い、これに即した職業選択や職業訓練等の職業能力開発を効果的に行うことができるよう個別の希望に応じて実施される相談その他の支援」のことを言います。
「キャリア・コンサルティング」は、必ずしも個人に対する相談支援に限らず、企業の職業能力開発制度や学校のキャリア教育プログラムの設計・運用・評価等そのほかの支援を含むものです。
3.「キャリア・コンサルティング」の流れ
「キャリア・コンサルティング」の中心となる個別相談は、おおむね以下のような流れで実施されています。
4.「キャリア・コンサルタント」とは
上記2のキャリア・コンサルティングを担う人材をいいます。
厚生労働省では、標準レベルのキャリア・コンサルタントに求められる能力体系を定めており、これに対応した養成講座を受講した方等が、キャリア・コンサルタントとして活躍しています。
5.「キャリア・コンサルタント」になるには
キャリア・コンサルタントは、需給調整機関(ハローワーク、訓練機関等)、企業、教育機関、若者自立支援機関などの幅広い分野で活躍しています。キャリア・コンサルタントには、以下の国家検定や民間資格等があります。
(1)キャリア・コンサルティング技能士(キャリア・コンサルティング技能検定1級・2級試験合格者)
(2)標準レベルのキャリア・コンサルタント(キャリア・コンサルタント能力評価試験合格者等)
(3)登録キャリア・コンサルタント(ジョブ・カード講習修了者等)
(業務独占資格ではないので、キャリア・コンサルタントの資格がなくともキャリア・コンサルティング業務を行うことを妨げるものではありません。ただし、ジョブ・カード交付に当たっては、ジョブ・カードに係る専門的な知識・スキル等を有しているキャリア・コンサルタントがキャリア・コンサルティングを行った上で交付することが必要であることから、ジョブ・カード講習を受けること等により、登録キャリア・コンサルタントとなっていただくことが必要です。)
※ キャリア・コンサルタント数は平成26年3月末で約8万7千人です。