2020年の景気見通しに対する企業の意識調査
2019年12月9日に発表された7-9月期の実質GDP成長率2次速報は、前期(4~6月期)比0.4%増(年率換算で1.8%増)となり、4四半期連続でプラスの成長となった。省力化投資などの設備投資や公共工事、五輪関連の建設需要などに加え、消費税率引き上げ前の駆け込み需要も好影響を与えた。一方、相次ぐ自然災害や世界経済の動向、人手不足の深刻化などの懸念材料もあり、業種や地域で景況感に格差が生じている。そこで、帝国データバンクは、2019年の景気動向および2020年の景気見通しに対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2019年11月調査とともに行った。
■調査期間は2019年11月18日~30日、調査対象は全国2万3,678社で、有効回答企業数は1万46社(回答率42.4%)。なお、景気見通しに対する調査は2006年11月から毎年実施し、今回で14回目
■本調査における詳細データは景気動向調査専用HP(http://www.tdb-di.com)に掲載している
調査結果
1 2019年の景気動向、「回復」局面であったと考える企業は3.7%となり、2年連続で1ケタ台となった。他方、「踊り場」局面とした企業は47.1%と半数近くにのぼったほか、「悪化」局面とした企業は31.2%と前回調査(2018年11月調査)から14.0ポイント増加し、7年ぶりの3割台に上昇
2 2020年の景気見通し、「回復」局面を見込む企業は6.8%で、2年連続で1ケタ台となった。「踊り場」局面になると見込む企業は32.8%と、前回調査(38.2%)より減少したものの、「悪化」局面を見込む企業は37.2%で2年連続で増加しており、過去3番目に高い水準となった。景気の先行きについて、1年前より厳しい見方を強めている様子がうかがえた
3 2020年景気への懸念材料は、「人手不足」が46.2%で最も高かった(3つまでの複数回答)。以下、「中国経済」(34.8%)が3割超で続き、「原油・素材価格(上昇)」(24.9%)、「米国経済」(22.8%)、「消費税制」(22.1%)が続く
4 景気回復のために必要な政策、「人手不足の解消」が39.6%(複数回答)と4割近くにのぼり、トップとなった。次いで、「個人消費の拡大策」(33.8%)、「所得の増加」(31.3%)、「公共事業費の増額」(26.7%)、「個人向け減税」(26.5%)が続いた。他方、災害に対する政策を重視している企業もみられた